やぶはな

Everybody Needs Somebody to Love.

真剣鬼

ではなくて、「芯研器」について。
PCやCADの普及以前の製図は手描きだったのだけれど、鉛筆を使っていたかは知りません。
学生の頃は「ホルダー」という直径1.8mm程の「鉛筆の芯」だけの棒を固定する「ボールペンっぽい」形状のモノを使っておりました。一番の長所は描く線の太さのコントロールが容易なところじゃないかと考えています。就職して知ったのですが、実務ではシャープペンシルの使用が多かったようデス。芯の太さに囚われてしまうとはいえ、芯を削る時間も惜しいのかなと勝手に解釈しておりますが。
ホルダーは鉛筆の芯の部分だけの長さ120mm程度の炭の棒を保持するためだけの道具で、芯を削るのは芯研器を使うのデス。
で、其の芯研器さんが行方不明に。
無くしたと思い、新しいのを買ってみたら、探していたやつが出てきた。

手前がホルダーさんで、右側の明るい色のほうが無くしたと思ったやつで20年近い付き合い、左は新入り。

右が古い方で左が新人。ロゴが変わってるね。ドイツ製を謳うことも止めてしまったみたいで。

ケツ比べ。新しい方は孔、古い方は金属が見える。
これは、芯を削る刃の支持部材の素材が変更されたが故の違い。

中を開けると新しい方はケースと一体形成されたプラスチックの芯棒に取り付いているのに対して、古い方は芯棒が金属となっている。
よく見ると金属のほうは刃の上に凹み加工されている。
刃の枚数は数えるのめんどくさいので略。刃自体は古い方が寝ている。20年の使用にも刃は減っていない様子。というか、削るのに何の問題も無い。

フタ側の裏を比べる。
一番の相違点はケース側の芯棒の凹みの有無にも繋がるのだけれど、赤丸部分にそれぞれ「爪」があること。新しいのはフタの円周部、古い方は芯棒を射す孔の内側。
これは、フタが簡単に外れないような「かえし」になっているのだけれど、この変更は製造コストを下げる為に芯棒をプラに変えたことによる設計変更なんじゃないかな。
フタを回転させる負荷には大した違いは無いのだけれど、重量は新33g、旧42gと10g近い差が出ている。

削ってみたところ。
上から、
旧「太」
新「太」
旧「細」
新「細」
個体差なのかもしれないが、
古い方は「太」の先端がいまいち角ばっている。
新しい方は削りにムラがある。
後者は先端部はちゃんと尖ってるので多少のムラなんか気にはならないのだけれど、道具としての完成度は新しい方が落ちているのかもなぁ。
それでね、一番の問題点は、「爪」の位置変更によって新旧の交換性が無くなってしまった事なんだよ。
なまじ一生モノに近い感じの道具だからメンテの汎用性は意外と重要だったり。最後には自分で加工したりで対応する覚悟はあるのでどうでもいいことなのだけれど。
少し前に「なぜ楽器をやるのか?」とか考えていたことが僕にもあった。実は演奏会終わってからは毎日楽器を出して音を出している。正確に言うと練習してる。上手く弾けるようになりたいから。そして、今、手元にある楽器と一生を共にしたいと考えたから、楽器を奏でているのデス。今はまだ人に聴かせられるようなものでは無いのだけれど、何年か先には室内楽をやれるようになりたいと考えるのデス。

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