社団法人日本建築家協会(JIA)の【災害時におけるJIAの業務継続計画(BCP)】が公開されているんだよ。
団体組織企業ではちらほらBCPを定めているところは増えてきたのだけれど、建物本体がBCPに対応する事を意識した設計が取り入れられていくのだろうか?
もちろんバランスが大事なのは分かっているけど、その辺の判断に明確な思想が見えてこない場合の方が多いよね。というか、BCP知らない設計者も多いだろうし、施主に対してちゃんと説明出来る人も更に少ないだろ。大手事務所くらいだよね。きっと。
別の事例で高速道路の料金所(ETC設備が付いてたり、料金徴収のオヂサンがいるところの屋根)をどんな大きい地震が来ても(阪神淡路大震災クラス)倒壊させない補強という目標が設定され実際に全国のコンクリート製屋根を補強。一方で屋根が倒壊しなくても、周りの道路とか全滅したら無意味との議論も。もちろん、倒壊しなければ、復旧のためのベース基地として資材置き場や一時避難場所として活用できる面も持つ。
また、「有事」が起きなければオーバースペックとして無駄金使いと批判されても然り。
個人の住宅レベルでもある程度の想定被害による復旧方法や避難法、復旧に係わるコスト等はまとめておくなんてのが、建物の付加価値としてインセンティブを与えるような方向に持っていけたらいいのに。
と思う反面、使い勝手の柔軟性を失いかねないこと、材料や設備機器等の将来の陳腐化を踏まえると簡単じゃないよね。
あらゆる有事に対して考えておくのは良いことだと僕は考えているし、其れをビジネスモデルにすることも考えられるが、「想定」をコンサルティングして、しかも継続的に金を巻き上げるようなやり方には否定的なのよね。詐欺っぽいじゃない。事が起こらなければ無駄金、事が起こってもマニュアル通りに上手くいくかは、実際に有事に対峙する人達次第なわけで、かといってやらない訳にはいかないし、誰にでも出来る事では無いだろうし、というか、これって役人のお仕事なのかな?或いは大学とかでばんばんやればいいのだろうか?
僕はBCPは万人が意識しておくべき事だと思う反面、無駄と切り捨てることも割と簡単にできてしまいそうなんだよ。
愛が無ぇなぁ~。
2010-05-07