やぶはな

Everybody Needs Somebody to Love.

R.ベンチュリのファンサイトが超キモイ件www

2016年も順調に本ゲル係数が高まっております。
古書の購入はもっぱらネットなんだけど、そのなかで「店舗は予約制」というお店があった。
それってネット販売中心だからということなんでしょうか。
アポとれば現物みながら買えますってこと。となりで店主が迷惑そうに見つめてるのに?
知らんけど。
小泉隆「ALVAR AALTO Light and Architecture アルヴァル・アールト 光と建築」プチグラパブリッシング、2013年。
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「建築は科学では無い。
それは人間に対して適格な何千もの機能を結合する統合的な大プロセスであり、依然として建築である」
アルヴァル・アールト

シベリウスの作曲した「フィンランディア」の序盤は、ロシア帝国時代を表す重く陰鬱なハーモニーから始まり、ファンファーレと共に躍動的な明るいメロディへと変わりゆく様はフィンランドの独立を表していてクライマックスへと至る。

カラヤンのフィンランディアは74小節目からのアレグロモデラートの重さがパナい。その後のアレグロの軽快さが活きるんだぜ。
アアルトの建築は内と外を明確に対比させ、外にある厳しい環境から如何にして内にある人間の生活環境をより豊かに出来るのかを突き詰めてるのがスゲイ。
中でも、北極圏に近いことから極夜には日照時間が極端に少なくなることから、太陽光を効率良く室内環境へ導くために内部空間の形状が作られていくプロセスを辿るだけで泣きそうデス。
現代日本では機械的にあらゆる問題を解決できるけど、それゆえに、自然環境に対して真摯に向き合ってないのではと常々思ってました。
昨今の高気密高断熱の住宅を指して「住宅の冷蔵庫化」なんて言っていますが、それは歪みだと思う。

LIXILギャラリー規格委員会「継手・仕口-日本建築の隠された知恵」LIXIL出版、2014年。
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こーゆーのは職人の口伝とか一子相伝とか門外不出とか、そもそも識字率がとか、いろいろあって、ちゃんと記録、編纂されたのって明治以降の建築行政の整備に伴ってという認識だったけど、そもそも、記録なんてなくても実物は残っているわけで、バラせば解る。てゆうか、図面に描くのめんどい。初めから3Dでモデル化したほうが有益なんじゃね。
ん?バラさなくても非破壊の測定機器である程度解析できる、か。
兎に角、継手・仕口の入門書には良い。
海外「日本人には敵わんな…」 1300年の歴史を持つ建築工法に外国人が驚嘆

後藤武「ヘブンリーハウス-20世紀名作住宅をめぐる旅6 ファーンズワース邸/ミース・ファン・デル・ローエ」東京書籍、2015年。
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結局、建築主のファンズワースおばさんは「(壁四面ガラス張りのため)すっけすけで住めるかアホ」と訴訟まで起こしているのだけれど、柱と梁だけで構成されとるのは日本家屋と一緒なわけで、ガラスの内側に縁側と障子付けてあげれば住めたかもよ。
フィリップ・ジョンソンのガラスの家とのディテール比較図も収録されてて良い資料なのだ。

「Berlin Philharmonie」Lettner Verlag, Berlin. 1964.
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ドイツ語の本なので著者すらわからん・・・
全頁に渡ってベルリンフィル音楽堂の写真と解説(ドイツ語)が書かれてる。
頁が裏表印刷ではなく、袋とじ状に織り込まれているため、厚い。
1964年のお宝写真が未開封!とか思ったけど、白紙でした。

Bruno Alfieri 「Zodiac 10」italy, 1962.
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Hans Scharounの特集号でベルリンフィル音楽堂のエスキスが載ってる。
気になったのだけれど、この当時ってアアルト然り、非対称の音楽ホールが流行ってん?
最終的に現在のほぼ左右対象(舞台両脇とかパイプオルガンの位置とかおかしい)のヴィンヤード型に落ち着く。
たらればだけど、当初案のままだったらきっと楽団は落ちぶれていたと思う。(※主観DEATH)
みんな大好きzodiacシリーズなんだけど、ミースのバカルディ・ビルも写真付き記事が出てる。しかも工事中の鉄骨建方を航空写真で撮ったやつ。
ミース建築はバルセロナパビリオンとかスカイスクレイパーとかもいいけど、1951年のファンズワース邸→1956年のイリノイ工科大学クラウンホール→1961年のバカルディビルという低層鉄骨造「浮いてる系」建築が大好物なのデス。
クワトロ・バジーナ曰く「地球の引力に魂を引かれた人族」としては、「空も自由に飛びたいな」的サムシングで「煙と何とかは高いところがお奥様は魔女」のため、軽やかに浮かぶナイスバディがとても魅力的に映るのデス。
早く宇宙開発に携わりたいものデスなぁ~
ところで、ベルリンフィル音楽堂の設計者ハンズ・シャロウンは絵が下手。

R.ベンチュリ著、石井和紘ほか訳「ラスベガス」鹿島出版、1978年。
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ミースを初めとするモダニスト達を「less is more(退屈自家発電野郎※意訳)」と罵るアヒル隊長△www
と、耳辺りの良い罵声だけ拾うことに意味はなく、プレモダンの保守層に対するリベラルな回答としてのモダニズムが、時を経てモダニズムに固執する保守派に変わったと感じるのは、歴史です。というわけで、ロバート・ベンチュリは独自にモダニズムの総括と今(当時)そこにある問題の分析を行った結果、建築のアヒル隊長化とその行き着く先への警鐘を鳴らしているのがこの「ラスベガス」というものなんじゃないのかなと、斜め読みして感じましたとさ。
40年も前に現代日本の建築業界が抱える問題を導きだしてるのスゲイ。
私は次の言葉に対して回答を持たねば今後淘汰されていくんじゃね?

「建築は構造体を装飾で覆ったものである」ジョン・ラスキン

「構造体を飾り立てるのは正しいが、装飾それ自体を建築してはならない」オーガスタ・ピュージン

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