やぶはな

Everybody Needs Somebody to Love.

筋を通す

とりあえず、不謹慎ながら面白そうな事が起こっているようなのでメモ置いとく。
明日は我が身と思えば笑えないのだけれど。
「邑楽町役場庁舎等設計者選定住民参加型設計提案競技」というコンペその後の経過について
・2001/09 検討委員会発足
・2001/12/01 「邑楽町役場庁舎等設計者選定住民参加型設計提案競技」開示
競技スケジュール
 (1)応募要項開示 平成13年12月1日より
 (2)応募登録期間 平成13年12月1日~平成14年2月28日
 (3)提案書受付期間 平成14年 3月11日~3月25日(当日消印有効)
 (4)提案書公開展示 4月 6日~4月12日
 (5)住民意見交換会(自由参加) 4月14日
 (6)一次審査 4月13日~4月14日
 (7)一次審査通過提案書公開 4月16日~5月10日
 (8)最終審査 5月12日
審査委員会
会長  原 広司(建築家)
委員  長谷川 逸子(建築家)
  倉田 直道(工学院大学教授)
  中川 武(邑楽町役場庁舎等建設基本計画検討委員会会長・早稲田大学教授)
・2002/05/12 山本理顕設計工場案を最優秀に選出
・2002/07/01 基本設計開始
・2003/01/10 基本設計提出
・2003/02/25 実施設計開始
・2003/08/29 実施設計提出
・2003/11/08 工事入札予定日(前町長により中断・延期)
・2003/11/30 町長選挙
>「庁舎建設は市町村合併の方向性が見えるまで凍結」「贅沢な庁舎はいらない」「町民の要求度の高い施設から建設する」「建設するなら庁舎建設基金の予算内で建設するよう努力したい」等の選挙公約を掲げた新町長が誕生

・2003/12~2005/03
町長・収入役と山本事務所打ち合わせ(主に減額案について)
・2004/07/05 西邑楽三町合併協議会設立
・2004/07/08 調査報告書・37億円→26億円減額案提出
・2004/09/18 西邑楽三町合併協議会休止状態となる
2004/12 西邑楽三町合併協議会への職員の派遣が解かれる
>市町村合併無しの方向性が出たと判断
・2005/02/18 邑楽町役場庁舎建設設計者選定審査
・2005/03/17 新庁舎事業費(設計委託料など)6290万円を計上した2005年度予算案を町議会で否決
・2005/03/18 当初予算案を否決 邑楽町議会<上毛新聞>
 邑楽町議会は十七日の三月定例会本会議で、二〇〇五年度一般会計当初予算案を反対多数(賛成九、反対十)で否決した。久保田文芳町長は懸案の新役場庁舎建設計画を低コストに見直す方針から、新たな設計委託料六千三百万円を予算案に計上。これに対し、議員が「経費の無駄」「町民に説明不足」と反発した。当初予算案の否決は同町議会で初めて。町側は反対議員の意向を聞いた上で予算執行への打開策を探る方針。
 新庁舎の現在の設計は前町長の下で、公募の民間人や議員で構成する庁舎建設委員会を中心に作成。設計委託料や調査費などに一億四千八百万円を投じた。計画は庁舎と多目的施設が並ぶ鉄骨平屋建てで、約五十億円の総工費が見込まれる。
 久保田町長はこれまでの議会答弁で、庁舎建設費を二十六億円の庁舎建設基金内に収め、平屋から鉄筋の多層式(二、三階)庁舎に変更したい意向を表明。鉄筋にすることで耐用年数は三十年から五十年に延びるとしている。
 一方、反対討論を行った議員は「設計費は町民の税金。今まで投入してきた税金が無駄になる」、質疑に立った議員は「(建設計画に関係した)委員や町民へ説明してから進めるべき」との「問題点」を訴えた。反対した議員は西邑楽三町の合併問題で、合併推進を主張。今定例会では、不成立に終わった町長不信任案に賛成している。
 否決を受け、久保田町長は「町長選や合併のしこりで完全に町民不在の議会。町民に与える影響は大きく、反対した議員は責任を感じてほしい」と話している。
 予算案は総額七十九億七百万円。四億九千万円の町保健センター建設費や二億五千万円の長柄小学校の耐震工事費費などを計上している。
 定例会は十八日が最終日。町側は暫定予算案や修正案も視野に、「議員から反対した中身を聞かせてもらい、対応を決めたい」(総務課)としている。
・2005/04/05 本質論置き去りに危機感「建築は”ハコモノ”ではない」<建設通信新聞
・2005/04/12 JIA要望書http://www.jia.or.jp/news/jia_news/2005/04oura.htm
全文↓
2005年4月12日
邑楽町
町長 久保田文芳 様
町議会議長 松原市祐 様
庁舎等建設特別委員長 相場一夫 様
社団法人日本建築家協会
会長 小 倉 善 明
町役場庁舎新築工事にかかわる設計委託に関する要望
謹啓 時下益々ご清祥のこと大慶に存じ上げます。
私ども社団法人日本建築家協会は、全国の建築家4,600名を会員とする専門家集団として、一般社会に向けての公益活動を進めると共に会員である建築家の資質の向上に取り組みながら建築文化の発展に寄与すべく活動を行っております。
さて、この度貴町においては平成13年より構想を進めてこられた町役場庁舎新築工事の設計業務を具体化に移す段階に入られたこと聞き及んでおります。
庁舎の設計業務に関しましては、平成13年に日本中の注目を集めて実施された「邑楽町役場庁舎等設計者選定住民参加型提案設計競技」において全国から応募のあった335点の中から最優秀賞に選定された建築家山本理顕氏(山本理顕設計工場)の作品を採用され、その後、議会、行政や住民代表の方々との間で実現に向けての協議が数多く重ねられて、平成14年8月には実施設計を完了したが、その後、諸状況によりその後の作業が延期されてきたと伺っております。
翻って、この設計競技がなぜ日本中から注目されたかを考えますと大きくは二つの理由が提起できます。一つは設計者選定のプロセスが完全に公開されたというその透明性の高さです。予備審査から最終的な設計者選定まで全ての情報が住民の皆さんに公開され、その選定の根拠が徹底して開示されたことです。そのことが全国から335点という多くの応募を生んだ大きな要素であったと考えます。
もう一つは、住民参加による設計が求められたことです。最優秀賞に選ばれた山本理顕設計工場の提案(ORAユニット方式)は、まさにその設計への住民参加を可能にし、貴町の期待に沿えるものとして評価を得たものと考えます。
その後の設計プロセスを見ても「邑楽町庁舎等建設委員会」が住民、議員、職員によって広く構成され、設計者との間で一年間にわたって何度となく協議が重ねられ建設委員会の要望に沿った設計提案が重ねられるなど、まさにこうした設計手法は日本における設計の歴史の中でも特筆すべきことだと考えられます。
そして、そうした多くの町の方々の英知と設計者の真摯な対応により提案された設計作品は従来の建築にはない新しさを持つものとして日本のみならず世界からも注目されたものと考えられます。
建築はその町の財産です。特に役場庁舎のような公共建築は、長い時間を通じて町の人々の活動の中心であり続けます。そして建築はその地域の文化を担うものであり、その建築が優れたものであればその地域に止まらず日本の文化全体にも大きな影響を持ちうるものであると考えます。その意味で貴町の取り組みは大変意義のあるものと心から敬意を表するところです。
しかしこの度貴町においては、こうした貴重な経過と実績を重ねられてきた設計案を廃止して、新たに設計案を発注するとのことと伺いましたが、これは町の資産に大きな負担を与えるだけでなく、これまで町が醸成されてこられた人的・知的財産や住民の方々の努力を無駄にすることになり、引いては折角の建築文化としての公共施設の持つ意義を低める結果になると思います。
仮に設計上でご要望に添えない部分があるとすれば、これまで同様現設計者を十分活用し、必要な要件を加えながらより良いものを作り上げていくことが最善の手法であると考えます。是非英断を持って行われ邑楽町の設計者選定住民参加型提案設計競技の実績を生かされることを強く要望致します。
なお、現設計者の活用が行われないとするのであれば、その事由を私どもにも是非開示願いたいと考えますのでよろしくお願い申し上げます。
敬具
・2005/04/25 建設委員会の解任の通知
・2005/05/10 「宙に浮く山本案理顕案」の活用、JIAが邑楽町に要望 
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/free/NEWS/20050510/122382/
記事抜粋↓
【JIAは、1.「住民参加型設計提案競技」は、設計者選定のプロセスが完全に公開され、透明性が高い。2.設計者が、住民や議員、職員らからなる「邑楽町庁舎等建設委員会」との間で1年間にわたって協議を重ねていった設計手法は、日本の設計の歴史の中でも特筆に値する――という二つの理由から評価。山本理顕設計工場案の活用を求めた。
邑楽町は、「老朽化に伴う庁舎の建て替えは決まっているが、それ以外は白紙の状態。山本案を採用するかどうかといったことも含めて、今は何も決まっていない。町議会も意見が分かれており、6月議会でもどうなるか見通しが立たない状態だ」と説明している。】
・2005/05/22 邑楽庁舎問題 設計者ら迎え住民集会<上毛新聞>
 停滞が続く邑楽町の庁舎問題について考えようと、住民有志は二十一日、町内で集会を開いた。設計者選定の審査委員を務めた早稲田大学の中川武教授、設計者の山本理顕氏らも出席、住民約四十人を前にパネルディスカッションなどを行った。
 同町では二〇〇一年、全国から応募のあった三百三十五点の中から設計者を選定。約二年をかけ、住民参加型で設計を作成した。
 しかし、三月議会で、久保田文芳町長は建設費を庁舎建設基金の約二十六億円内にしたいとの意向から、設計を見直す方針を示し、本年度一般会計予算案に新たな設計委託料を計上。同案は否決され、同委託料などを除いた予算が成立した。現在、庁舎建設は宙に浮いた状態になっている。
 この日、設計者の山本氏は庁舎と多目的ホールを含む建設費三十六億七千万円の現在の設計とともに、同基金内の建設費二十六億円の減額案も説明。また、同案は昨年七月に久保田町長に提案していることを伝えた。
 パネルディスカッションでは、住民参加型で行った設計の過程を尊重するべきとの声が相次いだ。元・庁舎等建設委員長の大野喜平さんは「住民の知恵と力を結集し、庁舎建設を実現しよう」と話した。参加者は今後も、会を継続していくという。
庁舎建設委員を解任 邑楽町長 <東京新聞>
 新庁舎建設問題で揺れる邑楽町の久保田文芳町長が「庁舎等建設委員会」(大野喜平会長)の全委員を解任していたことが二十一日、委員だった住民有志らが企画した庁舎建設についての町民向け集会で明らかになった。
 大野会長によると、久保田町長名の文書で先月二十五日、「委員会開催の見通しが立たず、いったん白紙に戻したい」と、全委員に解任を伝えた。大野会長は「一方的で人権を無視する扱い。誤った公権力の発動を正したい」と、久保田町長に解任撤回の嘆願書を提出する考えを示した。
 同委員会は神藤茂・前町長が四年前、住民参加で庁舎建設を進めようと設置した。公募により町民と議員、町職員で構成、設計まで終えていたが、二〇〇三年十一月、同町長選のため入札を延期。庁舎建設見直しを掲げた久保田町長就任後は、合併問題の影響もあり、同委は一度も開催されず、庁舎問題はこう着状態が続いている。三月定例議会では、新たな計画案を掲げ、設計費を盛り込んだ本年度一般会計予算案が否決されている。
 二十一日の会合では、宙に浮いている現計画案の設計者らも出席。庁舎建設の経緯を説明するとともに、パネルディスカッションを行い、現計画案尊重を訴えた。 
・2005/07/20 役場庁舎と多目的ホール建設問題<建設工業新聞>
・2005/09 庁舎建設の基本設計委託料約1,900万円の補正予算が賛成多数で可決
>役場庁舎建設に向けて動き出す
>新たな組織の立ち上げ
>透明性の高い方法で設計者を選定していく予定
>多目的ホールは第5次総合計画の中での位置づけを検討
・2005/10/01 邑楽町新庁舎の事業見直しで山本理顕氏のコンペ当選案は廃案へ<KenPlatz>
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/free/NEWS/20051001/125119/
 群馬県邑楽(おうら)町は、2001年から進めてきた新庁舎建設事業の見直しを決定した。9月8日に設計者選定競技報奨金150万円と設計業務委託料1900万円を新たに予算化。今年度中に基本設計をまとめ、来年度に実施設計に着手する。既に実施設計を終えていた山本理顕設計工場の設計案は、事実上の廃案となる。
 今回の決定について山本理顕氏は「基本設計と実施設計料の合計約1億1000万円が町にとって経済的損害になり、建設委員会で話し合われた住民の意見が無に帰す。住民と共に設計を進めていったプロセスに対して何も評価がなされていない」と怒りをあらわにする。
 日本建築家協会の小倉善明会長も、町の対応に疑問を呈した。同協会は2005年4月12日に、現設計者の活用と活用されない場合の事由の開示を求めて「邑楽町役場庁舎新築工事にかかわる設計委託に関する要望」を、町長や町議会議長らにあてて提出していた。「要望書に対する町からの反応はなかった。なぜ私たちの要望書や世論も無視して、新たな設計者の選定を強行したのか、町の当事者の考えを聞きたい」(小倉会長)。
 町は、「事業見直しの理由などについては何も答えられない。今後どうするかは、新たに建設委員会を結成し、その話し合いの中で決めていく。現在の庁舎は老朽化が激しいため、新庁舎の建設を急ぐことは間違いない」(庁舎建設室)と話している。
独自ユニット採用で住民の声を反映
 同町新庁舎建設事業は、住民参加型のプロセスが注目を集めた。2002年5月に審査過程を公開した住民参加型設計提案競技(審査委員長:原広司氏)を開催。集まった335案から、山本理顕設計工場の設計案を最優秀案に選んだ。
 山本案は、50mm角のパイプを使った2250×2250×750mmのユニットフレームで壁や屋根を構成する独自の「ORAユニット」を採用。こん包用のベルトで各ユニットをつなげるので、拡張や解体も簡単にできる。プランも容易に変更できるため、住民の意見を反映しやすいメリットもあった。
 邑楽町では、公募した住民35人に、町の職員などを加えた45人で建設委員会を結成。20回以上もワークショップを開き、住民の意見を反映した。実施設計は2003年8月に完了した。
 しかし、町長選挙直前の同年11月、前町長が工事入札を延期した。選挙では、公約で庁舎建設計画の見直しを掲げた久保田文芳氏が新町長に当選。事業は宙に浮く形となった。
 その後、町側が「新庁舎建設に関する当初予算の36億円は過大だ。26億円以内に収めたい」と発言したため、山本理顕設計工場は2004年7月、建設費が26億円以下の減額案を町に提案した。「しかし町からは何の反応もなかった」(山本理顕氏)という経緯もある。
 町は2005年3月、新庁舎設計委託料を含む新庁舎事業費約6300万円を計上した2005年度一般会計予算案を提出したが議会で否決。同事業費を含まないかたちで、同年4月に予算が成立した。ところが町は、同じ4月に建設委員会の全委員を解任するなど、あくまで新庁舎建設事業を見直す姿勢を崩していなかった。
(高市 清治=日経アーキテクチュア)
設計者の声◆訴訟も選択肢の一つとして考えている
 町長が変われば、町の事業を見直すこともあるだろう。それ自体は問題とは思っていない。しかし、33回も建設委員会などを開き、住民らと話し合ってきた経緯は、町長の方針とは何の関係もない。この設計プロセスを一切評価せずに、新たに設計者を選定することが決められたことはおかしいと思う。
 コンペの要綱には基本設計から実施設計、監理まで委託するとある。これを受けて、契約違反で法的措置に打って出てほしいという住民もいる。現実に住民側で、監査請求を起こす動きもあると聞いている。
 町の対応があまりに不誠実であれば、こうした状況を社会に知らしめるため、契約違反を理由に訴訟を起こすことも選択肢の一つとして考えられる。しかし、一般の人々の建築設計者に対する認識は必ずしも深いとは言えない。裁判に打って出れば、単に支払われていない監理料をせびっているように思われかねないとの懸念もある。今後の対応は、まだ迷っている。
(山本理顕氏談)
詳細記事:日経アーキテクチュア2005年10月3日号28ページ
関連記事:日経アーキテクチュア2002年5月27日号32ページ、6月24日号102ページ、2003年1月6日号46ページ、3月3日号42ページ、2004年5月17日号62ページ、2005年1月10日号82ページ、5月16日号42ページ
・2005/10/14 監査請求の提出
・2005/10/15 邑楽町の新庁舎建設問題:住民団体が監査請求書を提出<毎日新聞>
 邑楽町の新庁舎建設問題で、住民団体「邑楽町の庁舎と多目的ホールとまちづくりをみんなで考える会」(山田昌子会長、20人)が14日、久保田文芳町長に「庁舎建設を差し止め、再検討するよう求める」住民監査請求をした。町では初の住民監査で、監査委員は60日以内に「却下」「棄却」「容認」のいずれかの判断を文書で通知する。
 久保田町長は「町民の利便性を考慮し庁舎建設を進めるつもり。町民と話し合ってきたが、説明不足と言われれば努力不足だったというしかない」と語った。
・2005/10/17 第1回邑楽町役場庁舎基本計画検討委員会開催
>第1回会議録(PDFファイル:92KB)
http://www.town.ora.gunma.jp/gateway/chousha/chousha/01kaigiroku.pdf
>「当初の設計では、全体事業費が約48億円、うち本体工事費は約37億円で想定されていた。町にはお金が必要な事業がまだまだあるので、庁舎建設のため新たに借金をすることなく、建設基金約26億円の範囲内で、町民から愛される庁舎を造りたい」(久保田町長)
>委員の構成は、各種団体と議会の代表者、助役、教育長、町職員代表の計32名で、会長に石井助役、副会長に中川議会議長が選出
当初想定されていた役場庁舎と多目的ホールの建設事業費(山本案)
  想定金額
本体工事 37億円
備品工事 4億5,000万円
外構工事(中央駐車場整備含む) 4億円
情報設備工事 3,700万円
設計料 1億1,300万円
監理料 5,000万円
合計 47億5,000万円
・2005/11/02 地位確認裁判提訴・契約関係存在確認裁判提訴
・2005/11/02 邑楽庁舎建設問題 きょう町長や町提訴へ<上毛新聞>
 邑楽町の新庁舎建設をめぐり、久保田文芳町長が庁舎建設委員を解任したり、町が設計変更などを行おうとするのは不当として、元委員の住民三人と横浜市の設計会社は二日、それぞれ久保田町長と町を相手取り、地位確認と契約関係存在確認を求める民事訴訟を前橋地裁太田支部に起こす。
 原告の住民らによると、庁舎等建設委員会は前町長時代に一般公募の住民などで組織。住民参加型の手法で設計したが、今年四月、久保田町長が委員を解任した。委員会の要綱は委員の任期を事業完了までとしており、住民は「契約を履行してほしい」として、地位確認を求めている。
 一方、原告の設計会社は、前町長時代に全国コンペで選定され、約三十七億円の建設費で多目的ホールを含む平屋建て庁舎を設計した。だが、久保田町長は多層式で庁舎建設基金内(二十六億円)の庁舎を建てたいとの意向から、設計変更の費用を一般会計補正予算案に組み込み、町議会九月定例会で可決された。
 同社は、コンペの要綱に設計者の責務として「基本・実施設計、工事監理の業務を実施する」とあることから、契約の存続を主張。「住民参加で設計を行ったプロセスを尊重してほしい」と、契約の存在確認を求めている。
・2005/11/09 監査請求
・2005/11/11 「町とはまだ契約関係にある」と山本理顕氏が邑楽町を相手に提訴<KenPlatz>
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/free/NEWS/20051111/125895/
 山本理顕設計工場は11月2日、群馬県邑楽町を相手取り、新庁舎の設計を巡る契約関係の存在確認を求めて、前橋地方裁判所太田支部に提訴した。町が2002年5月に実施したコンペで最優秀案に選んだ山本理顕設計工場と、町長選挙を境に新庁舎建設事業の見直しを図り、新設計者選定を視野に入れる町との攻防は、新たな展開を迎えることになる。
「建築は町の私有物ではない」
 山本理顕設計工場によれば、訴訟の根拠となったのは、邑楽町役場庁舎等設計者選定住民参加型設計提案競技(審査委員長:原広司氏)の要綱第19条の「特定された設計者の責務」という項目だ。その文言に「設計提案競技によって特定された設計者は、邑楽町と随意契約の上、基本設計・実施設計および工事監理の業務を実施するものとします」という一節があった。
 これは「特定された設計者と町との間に、基本設計から工事監理までの一貫した契約を生じさせていることを意味する。つまり、町と山本理顕設計工場はまだ契約関係にある」と山本理顕氏は主張する。
 「いろいろと迷ったが、町に建築の社会的役割を認識してもらうために提訴に踏み切った。新庁舎は、町が私有物のように好き勝手にできるものではない。邑楽町では、住民を交えて20回以上もワークショップを開き、住民が自分たちの建築だと感じられる設計プロセスを踏んでいる。こうした過程をないがしろにしてはいけないと思う」(山本氏)。
住民も町を相手取って提訴
 2001年に「庁舎等建設委員会」に選ばれた邑楽町住民有志も同日、町を相手取って、庁舎等建設委員としての地位確認を求めて前橋地方裁判所太田支部に提訴した。町が2005年4月に行った同委員会全委員の罷免には、「法的根拠がない」と主張している。
 また、これに先立つ10月14日には、同じ住民有志が監査請求をした。「町が9月に補正予算で承認した設計業務委託料1900万円などが、山本理顕設計工場に支払った設計料約1億1000万円を無駄にする不当支出ではないか」と確認を求めている。山本理顕設計工場の提訴は、「こうした住民側の動きに呼応したものだ」(山本氏)。
 これに対して町は、「訴訟については訴状が届いていないので、なんとも言えない。今後の対応については、訴状を見てから考えたい。事業の見直しは、あくまで経費の削減を考えて決めたこと。なぜ訴えられたのかわからない」(庁舎建設室)と話している。
(高市 清治=日経アーキテクチュア)
・2005/11/17 第2回邑楽町役場庁舎基本計画検討委員会開催
>第2回会議録(PDFファイル:176KB)
http://www.town.ora.gunma.jp/gateway/chousha/chousha/02kaigiroku.pdf
・2005/11/21 第3回邑楽町役場庁舎基本計画検討委員会開催
>第3回会議録(PDFファイル:162KB)
http://www.town.ora.gunma.jp/gateway/chousha/chousha/03kaigiroku.pdf
・2005/12/05 邑楽町役場庁舎建設基本計画の町長への答申
>邑楽町役場庁舎建設基本計画(PDFファイル:212KB)
http://www.town.ora.gunma.jp/gateway/chousha/chousha/kihonkeikaku.pdf
・2006/01/10 住民訴訟提訴
・2006/02/18 設計者選定審査実施
>邑楽町役場庁舎建設設計者選定審査傍聴規程(PDFファイル:92KB)
http://www.town.ora.gunma.jp/gateway/chousha/chousha/boutyoukitei.pdf
>同日設計者決定
http://www.town.ora.gunma.jp/gateway/chousha/chousha/sentei/kekka.html
(株)福島建築設計事務所(JIA群馬地域会会員・群馬県内では大手設計事務所)を選定
・2006/02/28 第1回邑楽町役場庁舎検討委員会開催
>第1回会議録(PDFファイル:345KB)
http://www.town.ora.gunma.jp/gateway/chousha/chousha/kentoinkai/kaigi/kaigiroku01.pdf
・2006/03/13 第2回邑楽町役場庁舎検討委員会開催
>第2回会議録(PDFファイル:309KB)
http://www.town.ora.gunma.jp/gateway/chousha/chousha/kentoinkai/kaigi/kaigiroku02.pdf
・2006/03/17 新年度予算可決
実施設計委託料 4,000万円
請負工事費 7億1,400万円
工事監理委託料 840万円
※請負工事費、工事監理委託料は平成18年度分
・2006/03/27 第3回邑楽町役場庁舎検討委員会開催
>第3回会議録(PDFファイル:267KB)
http://www.town.ora.gunma.jp/gateway/chousha/chousha/kentoinkai/kaigi/kaigiroku03.pdf
・2006/03/28 予算執行差し止め仮処分命令申し立ての裁判で申し立て却下
>前橋地方裁判所太田支部決定結果(PDFファイル:1.11MB)
http://www.town.ora.gunma.jp/gateway/chousha/chousha/saiban.pdf
・2005/05/16 第4回邑楽町役場庁舎検討委員会開催
>第4回会議録(PDFファイル:316KB)
http://www.town.ora.gunma.jp/gateway/chousha/chousha/kentoinkai/kaigi/kaigiroku04.pdf
・2006/06/12 住民訴訟取り下げ
・2006/07/13 第5回邑楽町役場庁舎検討委員会開催
・2006/07/18 契約関係存続裁判取り下げ
・2006/08/02 住民地位確認裁判取り下げ
・2006/08/28 邑楽町保健センター完成式
>関連記事
タウン:邑楽町・保健センターが完成 /群馬
 邑楽町中野で工事を進めていた町保健センターが完成。完成式が28日行われ、久保田文芳町長ら関係者約110人が出席。久保田町長が「町民の健康活動の拠点として利用してください」などと祝辞を述べて、完成を祝った。
 同センタ-は昨年10月に着工。鉄筋コンクリート平屋建て、床面積は延べ約1600平方メートル。総工費は約4億円。主な施設は健診室や育児相談室、運動指導室、会議室など。9月1日から運用を開始する。【中野秀喜】
毎日新聞 2006年8月29日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/gunma/news/20060829ddlk10040209000c.html
関連資料
・庁舎建設室のページ
http://www.town.ora.gunma.jp/gateway/chousha/index.html
・邑楽町役場庁舎建設問題アーカイブ
http://orayakuba.exblog.jp/
・山本理顕設計工場
http://www.riken-yamamoto.co.jp/sitefolder/ryTop.html
・邑楽町役場庁舎建設計画についての経過
http://wright.sk.tsukuba.ac.jp/ora/
・入札にかわる設計者選定方式の提言-質の高い公共建築をつくるために-
http://www.jia.or.jp/activity/s_committee/kensetu_jia/1999/sentei.htm
・前橋工業高校
http://www.maeko-hs.gsn.ed.jp/
そんなこんなで後半の議事録なんか目を通すと突っ込みどころ満載なのです。
不思議なことに、前設計段階の建設委員会関係の議事録については削除されているようで、一部のキャッシュがgoogleなんかで僅かに残っとります。
それと、JIAまたもや・・・って流れかしら。
要望書送ってんのに、手前の会員が新しい設計者になってるし。
この設計会社は群馬県では大手らしい(某群馬県最大手ゼネコンのヒトが言うには)。ついでに新前工の設計・監理やってんのかしら?
そいえば、その設計者の指名については「厳正な審査により」入札参加資格のある40社中26社→6社指名→2社辞退→4社による競争。この経緯がもろブラックボックスじゃないのかしら。
というわけで、もちっと調べてみる予定。
@@@
前々から思っていたことなんですが、
オシムと安達祐実って似てない?
@@@
ドサクサで恐縮ですがブログを月内には引越す予定です。
サーバー引越しに伴いブログサイトを新設。一応の形はできたのですが、gooブログのバックアップが時間かかりそうなので、そちらが完了次第再度アナウンスしたいと思います。

次へ 投稿

前へ 投稿

返信する

CAPTCHA


© 2024 やぶはな

テーマの著者 Anders Norén